TBOLANライブ@中野サンプラザ

ドローン撮影班としてTBOLANの30周年ライブで中野サンプラザに行ってきました。

 

 

青春の音楽といえばT-BOLAN
ラブソングといえばT-BOLAN

こう思う人は多いと思う。

 

TBOLANファンというのはどの世代にもいるのが不思議で。

 

少し年齢の若い人でも

「先輩が歌ってたから。」

という理由で受け継がれている。

 

 

ちなみに俺も少し世代的には年齢が下で。

俺の世代でいうとGLAYなんかが全盛期だったんだけど。

 

やっぱ少し背伸びをしてた俺は

T-BOLAN
BOOWY

が青春の代名詞となるのです。

 

 

 

 

「”離したくはない”を上手に歌える人が好き」

と4つ年上のお姉さんに言われた17歳の俺はその日から延々リピートで。笑

 

 

それまではカラオケに行ったら

「はい。下手」

と即、演奏中止押されてた様な音痴な俺だったんだけど。

 

憧れのそのお姉さんのために毎日聴き込み、毎日歌っていたら
自分でも意識しないうちに少しずつマシになり、気付けば歌い方が似てきて。

 

 

「似てるね〜」

なんて言われるようになったあの頃。笑

 

懐かしい。

 

話飛びすぎだけど。

 

 

そんなTBOLANのライブに行ける日が来るなんて。

そしてまさかドローンカメラマンとして参加できるなんて思ってもみなかったです。

 

 

 

 

 

当日。

 

日程は決まってたから事前に何回か

 

「何時に行けばいいですか?」

なんて確認してたんだけど。

 

もちろん忙しすぎるアニキ及び関係者さんからはなかなかはっきりとした答えが来ず。

 

とりあえず当日、準備しながら連絡を待っていた俺。

 

「さすがにそろそろ向かおうかなぁ」

と思った頃アニキから電話。

 

「リハーサルをドローンで撮れるって!大至急ね♡」

 

 

うん。さすがアニキ。笑

 

 

あんまり早く行ってもやることなくて現場で邪魔になるのも嫌だし
(アニキ以外仲良い人いない汗)

とりあえずいつでも出れる準備だけしてたんだけど
まさかこんな感じだとは思わなかった。笑

 

次からは会場近くの喫茶店で待機することにしよう。笑

 

さっきまでは、バスと電車を乗り継いで公共機関でどういう風に行けば安くて早いか?
を探してたんだけど。

 

どうやらそんなこと言ってる場合じゃなさそうなので
タクシーで向かうことに。笑

 

中野サンプラザ

そして現場に到着。

会場に入ったら爆音で懐かしいあの曲たちが流れている。

 

 

いや、流れているじゃないか。。。

本物の演奏で本物が歌っている。

 

 

ちょっと補足すると。

 

 

森友嵐士

としてソロでの活動は同行することも多いし。

スタジオでお酒飲んだ時なんかピアノで歌ったりしてるのを横で聴いていたこともある。

たまに俺が酔っ払って一緒に騒いでいたこともある。汗

 

なのになんかいつもと違う。

 

なんというか。

 

当たり前のことなんだけど

 

目の前にあのT-BOLANがいた。

 

近い”アニキ”なんかじゃない。

あの森友嵐士がそこにいたんだ。

 

近くにいすぎて少し俺も鈍くなっていたのかもしれない。

 

慣れって怖い。

 

 

 

ただ、しか〜し。

リハーサルが嫌いなアニキ。笑

どうにか終わらせようとしてるし、たまにおちゃらけたりしてる。笑

 

この辺りはいつものアニキ。笑

 

 

 

そんな中ドローン撮影開始なのです。

 

 

 

T-BOLANライブリハーサルをドローンで撮影

中野サンプラザ。

もちろん屋内。

 

空が見えるわけなんかないからGPSなんてあるわけない。

 

離陸しようと思うんだけどなかなかできず。

そんな暴れる機体を見て

 

「大丈夫?飛ぶの?」

とどっかから声が飛ぶ。

 

 

「大丈夫っすよ〜」

と俺。

 

「当たり前っすよ〜」

的なね♬

 

 

 

実はこれ本当はめちゃくちゃ難しい。

ライトもほぼなく真っ暗だからセンサー系も一切働かない。

障害物センサーも下方ビジョンも全部オフ。

GPSなし。

屋外のひらけたところばかりで飛ばしてたらこの状況にテンパっちゃって

 

「い、いや、だ、大丈夫す。

いや、やっぱダメかも」

みたいなことになってたと思う。

 

 

だがしかしこの前日、俺は大阪城ホール内で飛ばしていた。

条件はなんとなく似てる。

 

屋内。
大阪城ホールではセンサーは働いたり働かなかったりしてたんだけど。
周りにはたっかい音響機材だらけ。

 

もしうっかり接触なんかしようものなら下手したら数年分の年収が飛んでしまう。

 

そんな状況の中、まるでサウナにいるかのような滝の汗をかき
それでもどうにか撮影してきたばかりなのだ。

 

2日連チャンの室内空撮。

 

意外と冷静にできてしまう。

 

慣れって怖い。

 

 

暗いからどこに何があるのか分からなくて攻めたことは出来なかったんだけど。

(そもそもおそらく攻めなくていいんだと思う。笑)注: 対アニキ以外w

 

 

リハ中、アニキがステージ上から

 

「ドローンのバックパッカーのチパコプターです。よろしく」

と紹介してくれた。そして

 

 

アニキ「どっかでドローン使いとして紹介するから〜」

ちはる「い、いや。勘弁してください」

アニキ「ワッハッハ」

なんてやり取りもあった。

 

ライブ中にそんなことやられたら集中できない。

撮影よりそっちで緊張してしまう。笑

 

やっぱアニキはいつでも変わらない。笑

 

 

 

そんなリハーサルを撮影し。

見事に4本全てのバッテリーを使い果たした。

 

やっぱり滝汗にはかわりないんだけど。

なんか少し”掴めた”気がした。

 

撮影後、控え室側にいくと

メンバールームから順番にスタッフの部屋が並んでいる。

 

俺の居場所はあるのだろうか?

 

何より充電しなくてはいけないのだ。

 

「すいません。どっかコンセントお借りできますか?」

と聞いたところ

 

「こちらでどうぞ」

と当たり前にメンバールームに通された。汗

 

 

嬉しいんだけど緊張しちゃうんですけど。

 

 

ちなみに俺は嵐士さん以外と会うのは初めて。

 

俺はなるだけ気配を消しドローンのセッティングをしてるフリしながら固まっておいた。笑

 

そしてやることもないので喫煙所に行くことにしたんだけど。

なぜかそこにメンバー全員がやってきた。笑

 

そこに混ざりながらあれこれ話してたんだけど。

今こうやって考えたら信じられない瞬間だったのかもしれない。

 

T-BOLANのライブをドローンで撮影

 

 

そんな時間の中の会話で

俺の出番がふわっと決まった。

 

「後半のアゲアゲな3曲」でドローン登場。

 

理由は

①ライトが多いから映像が綺麗&安全

②爆音で三曲連続だから曲の切れ目でドローンの音が邪魔することがない

 

 

 

 

さて、そろそろ開演。

 

 

 

俺はというとこの日、

ビグザムさん(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND

と一緒に見る約束してたので入り口で合流し2階席に。

ちょっと周りを見渡したら結構知ってる顔がいた。

 

 

 

そして。。。

伝説の日がスタートした。

 

T-BOLANライブ開幕

一曲目。

Only Lonely Crazy Heart

 

あの。あのT-BOLANが目の前にいた。

T-BOLAN のライブをドローンで撮影

 

ソロの時はだいぶ歌い方が違うアニキだけど

やっぱりT-BOLANになるとT-BOLANの歌い方だった。

 

鳥肌。そして意味のわからない涙。

 

俺はなんか泣いてたんだ。

意味わからないんだけどね笑

泣く様な曲でもないし。

 

 

その後は、順番にいろんな曲を聴きながら

思い出に浸りつつ、頭のどっかでドローンのことばかり考えていた。

 

二階席から見ると意外と広いし高い。

 

なのにステージを間近で見るととんでもなく狭く感じるんだ。

 

何回も頭の中でシミュレーションしながらイメージが出来上がって行く。

 

ちなみにリハーサル時は客席側からステージを撮る形だったんだけど

本番は安全面を考え

「絶対に客席にはいかないこと」

と何度も念を押されていた。

 

 

そしてステージ上を飛ばす離発着場所はステージの袖と決まっていた。

ステージ袖の幕の間からドローンを出入りさせること。

そしてステージに俺がはみ出さないようにすること。笑

 

実際、無謀な要求に近い。

ドローンやったことある人なら意味わかるはず。

だけど絶対に成功させなくては行けない。

 

いつからか

「トラブルメーカー」「厄介者」

扱いされるようになったドローン。

 

少し前までは現場でドローンが出るとスタッフからは歓声が上がっていた。

 

それなのに今ではみんなが嫌〜な目で見てくる。

 

一体なぜ同じスタッフ側なはずなのに敵視されるのかはわからないけれど
宿命だと思って受け止めることにした。笑

 

だって映像を見た後に一気に態度が変わることを俺は知っている。

 

ドローンって本当にすごいんだもん♡

 

頭の中に擦り込まれてるものじゃない動きをするから
そこにとんでもない感動が詰まってるんだ。

 

さ〜て、見てろよ。

 

「離したくはない」

が終わったあたりで俺は楽屋に戻る。

 

そして俺の中のルーティン化してる儀式を終え

いざステージ袖でスタンバイすることに。

そして奇跡の時間が始まった。

 

まずは

 

SHAKE IT

 

ノリノリの定番曲。

 

ここで俺はホバリングさせようとプロペラを回すも機体は暴れまくる。

 

一気に汗が吹き出す。

 

俺はランディングギア(足)を押さえつけ制御する。

 

そんな時

「離発着場所が違う」

と謎のクレームが入る。笑

 

そんな時は精一杯の爽やかな笑顔で回避するのです。笑

 

 

曲が始まって1分後くらいかな?

ついにドローンがステージ上に上がって行く。

 

ちなみにこの日の装備はアイスカウター

※詳しくはあとで書きます

 

目視しながら片目で映像を確認できる。

通常俺は目視は一切しない。

 

正直ドローンがどこにいるのかなんか普段は知らない。

手元の映像だけ見ていれば99%事故らない。

 

しかし、今回は別。

もし当たったり墜落したらニュースに出てしまう。

そして俺のドローン人生も終わってしまう。

 

いや。そんなことはどうでもいい。

 

アニキの大事なライブに傷をつけてしまう。

それだけは避けなければいけない。

 

限りなく100%に近づけるのがプロの仕事なんじゃないかと思う。

 

いい映像を撮る方が優先順位が上ならぶっ壊す覚悟で行くんだけど

今回は何よりも事故を避けることが第一。

 

 

海外で攻めすぎて電線に引っかかってるのとは訳が違う。笑

 

 

一曲目が終わり二曲目

傷だらけを抱きしめて

に入った。

 

そしてなぜかこの辺りで俺も変なアドレナリンが放出され

怖いより楽しいに変わってきてしまう。

 

まるで我が子ドローンがメンバーの一員になったような妙なきもちになってしまった。笑

 

 

当たり前のことなんだけど撮るまで気づかなかったことが

メンバーはそれぞれ自由に動くということ。

これが難しい。

 

整理しよう。

 

①GPSなし
②真っ暗でセンサーなし
③周りには高価な機材だらけ。
④対象物は動き続けている。
⑤ドローンが動けるのはステージ上だけ
⑥離発着は舞台袖の幕の中で操縦もそこから。
※ステージ全体が見渡せる正面から撮るわけではない。

 

 

そしてさらにもう一つ。

 

お客さんは肖像権的なこと(?)で昔みたいに映像に入れるわけにはいかないので

⑦お客さんが写らないようにしなくてはいけない。

 

 

正直、無理だし無謀だし無茶苦茶。

 

 

だけどやるしかないんだ!!

 

こういうのをこなしていくことが俺の仕事なのさ。

 

そして何よりアニキのかっこいいところを撮るのが俺の仕事。

 

テクニックではない部分。

1ファンだからこその映像。

だからこそ、ここにだけは意地でもこだわって参加した。

 

 

そして3曲目

 

My life is My way

 

が始まった。

 

 

 

や。

やばい。

 

とにかく楽しい。

終わりたくない。

ずっとそこで飛ばし続けたい。

 

 

アンコールのハートオブゴールドもどうにか参加するように話しておけばよかった。

多分アニキは

「やっちゃえよ」

しか絶対言わないんだし。笑

 

 

ということで結果的に

地獄の様な難しい任務は楽しみながら無事故で完了しました。

 

いや。

一つだけ事故があったかな?

 

コーラスで参加してた某姉さんの楽譜をドローンの風でバサバサにしてしまった。笑

 

その状況に思わずステージ上で爆笑してた姉さん。

 

多分何が起きても動じないんだろうな。

そしてそれも爆笑しながら楽しんでいた。

 

俺はああならなければいけないんだな笑

 

 

 

本当にこの日は忘れない。

今までドローンをやってて
1番難易度が高くて1番緊張したけど1番やりがいがあった。

 

呼んでくれたアニキ、感謝です。

 

それと。

この日の映像に関しては。
今回は自分が勝手に編集して公開することはないです!

使われるかどうかも分からないけど
あくまでT-BOLANのライブ映像として撮ったのでこの映像は制作サイドに渡しました。

 

これ読んでくれてる方は、もしどっかで見かけたら一声かけてくださいね♡

 

 

 

最後に。

 

17歳の俺と4つ上のお姉さんのお話。

 

どうなったと思う?笑

 

 

 

 

もちろんその子と付き合うことになって3年半くらい同棲してたよ。

 

今でもいい思い出です。