ちゃんへん

ピースボートに乗ってから約2週間経ったんだけど心がけていたことがある。

 

それはなるべく毎日違う人と接するようにすること。

 

仲良い人とゲラゲラ笑ってるのも幸せだけどね。

いろんな人とご飯食べたり話をしたりして

いい色んな刺激を受けたいな!とね。

 

 

だけどこの数日、ほぼずっと一緒にいる奴がいる。

水先案内人としてこの船にプーケットから乗っている

在日で韓国籍の、ちゃんへん君。

 

パフォーマーとして大会優勝しまくりで世界各国で公演していて。

経歴としては

スピルバーグマイケルジャクソン
数年前には金正恩の前でも講演経験あるめちゃくちゃすごい奴。

そんな彼が

なぜパフォーマーを目指すことになったのか

について話す企画があったんだけど今日はそれに行ってみた。

 

これは全員に、本当は彼の声で彼の言葉で見て聞いて欲しいんだけど。
それはなかなか叶わないし。
だけどあまりにも感動して号泣というか嗚咽してしまったのでどうにかみんなに伝えたい。

 

彼の話を聞いた俺が俺の言葉で書くので少しニュアンスとかが変わってしまうかもしれないし
うまく文字にできるかわからないけど。

俺の中では今の感情をまとめるためにも書いてみることにした。
だいぶ割愛して好きなところだけ書くことにしました!!

読んでください。

 

 

 

 

講演

「挑戦人〜私がパフォーマーになったわけ〜」

 

ピースボート新聞①

ピースボート新聞②

「これからはグローバルな時代だ」

と、ファンキーなお母さんからある日突然言われた彼は
在日朝鮮人にとって一般的な朝鮮学校に行かずに
日本の学校で日本人と一緒に小学生生活を送っていた。

 

しかしある時から朝鮮人というだけでいじめにあい
学校に着いた瞬間に

「入国審査だ」

とボコボコにされることから1日が始まり。
何かがあればすぐ呼び出されてボコボコ。

加減を知らない小学生のいじめはどんどん過激になり
壁に貼り付けられて

「朝鮮人の頭に当たったら100点」

というゲームの的にされバットで打ったボールを当てられたり
彫刻刀で切りつけられたり、骨折したりして
次第に自殺を考えたりするようになっていく。

 

 

そんなある日。
帰り道の途中、自分のすぐ背後で

 

「ドカン」

 

ととんでもない音がなり。

 

振り返るとそこにはバケツに大量の石が詰まったものがあったらしい。

要するに校舎から、ちゃんへんをめがけてそのバケツを投げつけたってこと。

 

常識がわからないぶん、加減を知らない小学生ならではの発想。

 

当たっていたら本当に死ぬ可能性だってあっただろう。

 

 

その時にその現場をある先生が目撃していたことで問題になり。
校長室に呼び出された「いじめ側」の6年生とちゃんへん。

 

 

校長先生が
「いじめダメだ」的なことを
「いじめ側の6年生」に説教していたとき
ちゃんへんの頭の中では

 

「あぁこれでさらにいじめがエスカレートするのか。」

と思い、話なんかほとんど聞いていなくて

 

「どうにかこの場から逃げれないか?」

ということしか頭になかった。

 

 

そんな中、学校から連絡がいったであろうパワフルなファンキーお母さん登場。

※ちなみに映画「パッチギ」でもモデルになってるらしく元どヤンキーお母さん。

 

 

 

ちゃんへんおかあさん登場

 

「なんかあったん?」

と現れ。

 

「いじめっておもろいよな?」

と訳のわからないことを言い出したお母さんw

 

 

「それは問題発言ですよ」

と言い返した校長先生に

 

「いじめがなくなる訳ないやん。あんなおもろいもの」

と変な展開になったその場。

 

 

あ〜だこ〜だやりとりがあった後のお母さんからの質問

 

「校長先生、なんでいじめがなくならないのかわかる?」

 

 

その質問に答えられない校長先生に言ったおかあさんの言葉。

 

「そんなの学校にいじめよりおもろいもんがないからや
いじめは絶対になくならない」

 

そして

 

「素敵な夢を持ってるこはいじめなんてしないんや」

 

って言って帰っていったらしい。

 

かっこよすぎる♡お母さん♡
(いや、帰っちゃダメでしょw)

 

 

 

 

そんなちゃんへん

 

ある日、ジャグリングに出会いジャグリングにハマり。
ジャグリングを通して根暗だった性格もこのころから少しずつ明るくなり。

 

 

「好きなことで一生懸命頑張って一番になりなさい」

といったお母さんの言葉の通り

「ジャグリングで生きていきたい」

と思うようになり

ある日それを母親に打ち明けることに。

 

 

 

「こういう日が来ると思ったからいつか話そうと思っていたことがある」

と思いを告げたちゃんへんに対してお母さんから切り出され。

 

「お前はナニジンだ?」

との質問。

 

 

 

「朝鮮人」

と答えたちゃんへんに対して

 

「そんなの当たり前やないか。
北なのか?南(韓国)なのかどっちだ?」

と聞くお母さん。

 

 

お母さんがいったことはつまりこういうこと。

 

在日朝鮮人というのは南北が分断される前に日本に来た人たちのことだから

朝鮮が母国なわけで。

要するに北でも南でもないわけ。

 

そして今現在も分断されているわけだから母国がなく、扱いとしては

「無国籍」

となっているわけ。

 

書類上その国がないわけだからね。

 

そして。
ということはつまりパスポートが発行できない状態なわけ。

 

今回、日本を飛び出してアメリカでジャグリングの勉強をしたいちゃんへんにとって最大のネックはそこであり

パスポートを発行するためには
「北」か「南」を選ばなくてはいけなかった。

 

 

 

けど正直、ちゃんへんにとってはなんのこっちゃ分からなくて
どっちを選んでいいかなんてわかるわけもなく。

 

そんなちゃんへんに対してお母さんからの助言は

「お前が今いる日本とこれから行こうとしてるアメリカは資本主義。
韓国も資本主義。北朝鮮は共産主義」

 

 

どういう形であれ、自分で選ばせないといけないと思ったお母さんが
色々考えた挙句たどり着いた伝え方だったんだろうな。

 

 

「じゃ、それでいい。韓国にする」

と流れに身を任せて。

というか正直なんでもよかったちゃんへんに、次は

 

「けどこれは私一人で決めれるものではないからおばあちゃんに話に行こう」

 

とおばあちゃんの家まで連れて行かれ話すことに。

 

 

そしておばあちゃんに顔を合わせた瞬間のお母さん。

 

「お願いします。ちゃんへんに韓国国籍を取らせてください」

と土下座。

 

 

なんのことだかわからないちゃんへん。

 

 

おばあちゃんはおばあちゃんでそれを聞いた瞬間、
普段はお酒を飲まないのにマッコリを一気し
そのままそのボトルをぶん投げ大声で怒鳴り。

 

お母さんは血まみれになるまでボコボコに。
ちゃんへんもおばあちゃんにボッコボコ。

 

そしておばあちゃんの言葉

 

「韓国籍をとる?
そんなこと真面目にいってるのか?
いってる意味がわかってるのか?

それは南北分断
民族分断
朝鮮戦争
全てを認めることになるんだぞ

私たちがどんな思いでここに住み続けてるか
お前はわかってるのか」

 

 

ちなみに通常はどちらかの国籍を取ることもあるんだけど
ちゃんへん家族は誰も国籍を取らず

「在日朝鮮人」のまま=「無国籍」

 

そんな思いをすべて知ったちゃんへん。

 

きっぱりすべてを諦めようと思い直した時
隣でテレビを見ていたおじいちゃんが登場。
(テレビの方を見ていただけで実際にはテレビは見ていなかったんだろうけど。。。)

 

おじいちゃんは今まで朝鮮について語ったことがなく
というか

「沈黙を超える言葉なんてあるのか?」

みたいな人で

「男は黙ってろ」

な人だったらしい。

 

 

だから今までおじいちゃんの祖国への思いとかちゃんへんは聞いたことがなかったし
そういう思いの薄い人なんだと思っていた。

 

 

 

おじいちゃんのことば

そんなおじいちゃんのことば。

 

「俺の夢はな。国が統一してバラバラになってる家族と住むことだ。

けど分断してこれだけ時間が経った今でも状況は変わらず

それはもう(俺が生きているうちには)無理そうだ。

だけど。

国籍を変えるだけでお前の夢が叶えられるんであれば変えろ!

いろんな国に行きいろんな人に出会い
いろんな文化に触れて成長してこい
たまにその土産話を聞かせてくれ。

それと今日は怒る日なんかじゃない。
大切な孫が夢を持った日なんだから祝いだ。

(おばあちゃんに向かって)だからお前は美味い飯を作れ
これでこの話は終わりだ。」

 

 

 

この言葉で本当にこの話は終わり。

 

そしてちゃんへんは韓国籍となりパスポートを取りアメリカに行き
ジャグリングを勉強し世界チャンピオンになり今に至る。

 

 

 

挑戦人

なぜ、ちゃんへんのパフォーマンスを見てあんなに感動するのか。

なぜ涙が溢れるのか。

なぜあんなに魅力を感じるのか。

それは追い求め追い続けている理由や覚悟の質が他の人と違いすぎるからだね。

 

 

そしてなぜ、ちゃんへんを知ってる人みんなが

「チー兄ィ、絶対ちゃんへんと合いますよ。」

と言ってくれてたのか理解した。

 

 

ちゃんへんも船に乗る前からも乗った後からも友達や知り合いに

「絶対気があう人がいますよ。ちー兄ぃっていうんですけど絶対絡んでください」

って言われていたみたいで。

 

お互いにその意味がよく理解できないまま、けどなんとなくやっぱり気が合ってしまって

毎日朝から晩まで一緒にいるわけだけど。
今日、俺はその意味を理解したよ。

 

 

ただ、俺には何もないからな笑
俺も頑張らなくちゃな笑

 

 

次のギリシャでは陸でちゃんへんのパフォーマンスを俺が空撮するんだけど。

ちゃんへんのかっこよさを世界で1番俺が伝えられる自信がある。

最強の最高のものを作ることを約束するよ。

ちゃんへんのPVであり、俺のPVを作る。

 

 

ワールドローン

 

スリランカで船への帰り道、タクシーの中で

「肩書きないの?」

っていう会話の時に

 

WORLDRONE

という言葉をくれたちゃんへん。

シンプルだけど響きもいいし分かりやすいいいフレーズ。

 

 

そのWORLDRONEを使って
WORLDRONE ARTISTなのか
WORLDRONE   CREATORなのか
WORLDRONE PHOTOGRAPHERにしようか。

あの時は完全に決まらなかったけど今日決まったよ。

 

 

WORLDRONE PERFORMER

親友、ちゃんへんへの尊敬の意味を込めて「パフォーマー」を名乗らせてもらうことにする。

俺も映像を通して人を感動させられるように頑張る。

ありがとうちゃんへん。

世界一のパフォーマーであり、親友のちゃんへん

 

追記

このあとちゃんへんを撮った動画はこちら

パルテノン神殿deちゃんへんを撮るの巻