What a Day!!
この記事は↓こちらの記事の後編です。
まだみてない方はまずはこちらをどうぞ
くじら遭遇後朝食を食べ終わった頃レンタカーが到着。
まずは島を一周することになった。
レンタカーの値段はこんな感じ
途中、適当に
「ココ止めて」
と各々が止まりたいところに止まり
俺は撮影したりみんなで泳いだり素敵な時間を過ごした。
LES TIPANIERS
15時過ぎくらいに、
LES TIPANIERS
に向かうことになった。
おそらくモーリアで一番の人気で有名なビーチである。
何が有名なのかというと、
ここの名物は餌付けされすぎたエイたちが寄ってきて
一緒に泳いだり写真を撮れたりすることだ。
カティアはすでに一度行っていて素晴らしい写真を撮っていたので
とっても楽しみにしていた。
この素晴らしい一日の最後はエイと写真を撮ってサンセットをみて終わりにするのだ。
補足:ここにいるのはStingray(赤エイ)です。
車で到着したあと、日が沈む前に一度この場所を撮っておきたかったので
カティアとトムがそのスポットに向かってる間、俺は空撮していた。
正直、思ったよりいいものが撮れなくて
「一体ここの何がそんなに有名なのだろうか?」
と思っていた。。。
まぁいいや。
とりあえず俺は一度車にドローンを置きに戻り俺は追いかけることになった。
日本語ではなんといいのか分からないが
船専用の道「ボートチャンネル」を横切らないといけないらしい。
「Are you a good swimmer?」
とカティアに聞かれていたので、
おそらくなかなかハードなのだろうと予想はつけていた。
けど、まぁ泳いでいればいつかつくんだしのんびり行こう。
ボートチャンネル横断チパコプター
泳ぎ始めて10分。
まだまだ対岸は遠い。
そして気付けばそこの水深は20メートルくらいある(と思う)
「うわぁ、宙に浮いてるみたいだなぁ」
なんて思ってる暇なんかない。
いつボートが通過するか分からないのだ。
もし来たらどうしよう。
そうしたら(やったことないけど)フリーダイバーさながら
深く潜って通過するのを待つしかないか。
けどその次にまたボートが来たらどうしよう。
なぜかとってもネガティブな思考回路に進む自分の脳みそを止め
俺は泳ぎに集中することにした。
そして。
無事ボートが通ることもなくどうにか横断し俺は対岸の島まで来ることができた。
やった〜^^
さて、ここからサンセットを見て俺は今日という1日を素敵に終わらせるんだ。
「What a day!!!」(なんて日だ)
って大声で言ってやるんだ。
さて、俺のBUDDYたちはどこかな?
そう思っていたのだが対岸についてもそこには誰もいない。
完全に無人島。
小さい島を一周したもののトムとカティアはどこにもいない。
なんということだ。
彼らはどこにいったのだ。
隠れているのか?
いや、そんなはずはない。
隠れるような場所もないのだ。
もしかしたら入れ違いになってしまったのかもしれない。
いや、俺以外に一人もこのボートチャネルを泳いでる人なんていない笑
とりあえず戻るしかない。
そう思ってまた長い道のりを泳いで渡ることになった。
ちょっと不思議なもので1度経験したものはそんなに怖くなくなるらしい。
そして無事半分くらいまできた時、想像していないことが起きた。
俺の顔の目の前にとんでもない大きさの魚がいるのだ。
牙を剥いて。
他に一匹も魚なんていない。
魚がこんなに接近してきたのは人生で初めてのことだ。
あんまり人を怖がらない魚なのかな?
初めは多分、遊んでるだけだろうと思っていたのだけれど
彼の顔を見る限りそうではないっぽいのだ。
恐ろしいほど鋭い牙をむき出しにし、俺に何度も突進してくる。
絶対にこいつ遊んでるんじゃない。
顔だけみたら人を殺すような顔をしている。
こいつ噛むのか?
こんな奴に噛まれたらとんでもなく痛いだろうな。
そんなことを考えてたら完全にパニックを起こし俺はそこで俺は溺れた。
水深20メートルはある場所だ。
いや、そんなことをしている間にボートが来たらどうしよう。
※後日知ったんだけど遊泳禁止だった。(当たり前かw)
やばい。やばい。
日の入りも間近だしこんなとこで溺れてる場合じゃない。
そしてこんな魚と戦っている場合でもない。
だが彼の突進は止まらない。
俺の感覚ではそれはそれは長い戦いで
10回以上突進してきたような覚えがあるんだけど
実際のところ2分くらいの出来事だろう。
俺は逃げ出すためにとにかく泳いだ。
がむしゃらに。
間違いなく俺の人生で一番早く泳いだ瞬間だった。
なんかの大会でメダルが取れるレベルだった。
後にも先にもあんな泳ぎができることはないだろう。笑
そして気付けば彼のテリトリーを離れたようでもう追って来なくなった。
助かった。
いや、助かっていない。
振り出しに戻っただけだ。
俺はまた無人島サイドに来たのだ。
俺は向こう側に戻らなければいけない。
ラウンド2だ。
VS 殺す顔した魚〜ラウンド2〜
今度は俺は極力そーっと泳ぐことにした。
少しずつ少しずつボートチャンネルを進んで行く。
頼む。もう来ないでくれ。
そもそもあいつは誰なんだ。
俺は未だかつてあんな奴に出会ったことがない。
72カ国旅をしてて、今朝はクジラにも会ったけど
あんな謎の牙むき出しの人を殺す顔をした魚を見たことがない。
そしてそーっと進んでいたらやっぱりあいつがいた。
また殺す顔で俺を睨んでいる。
と思ったのもつかの間彼はもう俺の顔の前にいた。
俺はもうキレた。
こいつと戦うしかねぇ。
俺の方がてめえより危険なんだぜ
そう思わせるしかこの闘争社会で生き抜いて行く術はないのだ。
俺は近づいて来た彼にカウンター気味でめちゃくちゃ反動をつけて蹴りを入れた。
「どうだ。参ったか」
そんな蹴りだった。
しかし彼はなんともない顔で俺を睨み続けている。
おそらく俺は彼の怒りの火に油を注いだだけのようだ。
いや、そもそも蹴りにもなっていなかったのだろうけど。
もうしょうがない。
彼との勝敗は分かっている。
彼のフィールドで俺に勝ち目はない。
超遠回りをして行くしかないようだ。
一体何が悲しくて、こんな名前も分からないような場所で
こんな目に遭っているのだろうか。
そもそも俺の友達たちはどこにいったのだ。
なぜ目的地が無人島だったのだ。
なぜこんな深い海を必死で泳いでいるのだ。
ボートが来たらどうするのだ。
日が暮れたらどうするのだ。
完全にパニックだ。
だがもう俺は無の境地に行くことに決めた。
一生懸命泳げば前に進んでいるはず。
そしてそこから約20分。
どうにか奴に会わずに戻ってくることができた。
しかし、遠回りをしたおかげでとんでもない岩場に来てしまったようだ。
だがもうボートチャンネルに戻りたくはない。
あいつに殺されてしまう。
どうにか元の場所に戻るため俺は険しい道(海)を進み
サンゴに引っ掛け胸あたりの皮膚から血を出しながらもどうにか生還することができた。
やった。
いや。
何も達成していない。笑
ただ、無人島に行って帰ってきただけ。
疲れただけだ。
うちらが決めておいた荷物置き場には行く前と変わらずの状態で荷物が山になっていた。
もうしょうがない。
俺は目の前にある橋でぼっと夕日を眺めることにした。
初めからここでのんびりしておけばよかったのに。。。
そんな日が沈む寸前、
ボートチャンネルの方向から彼らが帰ってくるのが見えた。
やっぱりみんなあっち側にいたのか?
俺が見つけられなかっただけなのか?
話して分かったことだが
目的地は対岸ではなく、全然違う方向だったのだ。
そして彼らはこんな写真を撮っていた。
なんて素敵な写真だ。
なんて楽しそうなのだ。
俺が無人島で途方にくれ
ボートに轢き殺されるかもしれない場所で
謎の牙むき出しの魚に襲われて溺れているころ
彼らはこんなことをやっていたのだ。
はぁ。やってられない。笑
そしてこの日の夜、みんなでディナーしてる時、
俺はこの時のストーリーを話した。
何がツボだったのかは分からないけれど
彼らはこの話がとても面白かったようで興奮して何回も聞きなおしていた。w
そして。
この時のこの話をTOMはブログで書いている。
この後も彼と色々話してだんだん知っていったんだけれど
彼は実はとんでもない人物だったのだ。
まだ誰もやっていない15年前からひたすら旅をして
誰も読んでいなくても淡々とブログを書き続けていた。
そんな彼の行動に時代が追いついて来てから
彼はとても人気者ブロガーになり
海外から無料で招待されたりインタビューを受けたりするようになったらしい。
この時のブログはこちら
Sea life in a marine paradise
トムはもちろんカメラを持っていて旅の写真を撮っている。
カティアは名前の通り、水中の写真を撮り続けている。
チパコプターはご存知の通り、ドローン空撮。
偶然にも我々は陸海空の写真をそれぞれが撮る見事に完璧なチームなのだ。
これが理由ではないけれどこの日以降もこのメンバーでの珍道中が続くことになる。
そんなトム。
「私はこんな素敵な映像をみたことがないんだ。
今、結果が出なかったとしてもチパコプターにはこれからも
世界中のドローンを撮り続けて欲しい。
ある日突然爆発的に売れると思う。
間違いなく。」
こんな素敵な言葉をもらった。
なんて素敵な人なのだ。
ただ、今日のことはしばらく根に持ってやろうと思っている。笑 (嘘)
※後日分かったことだけど襲ってきた魚はトリガーフィッシュという危険な魚でした。
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